キリスト教徒はアダムとイブの神話を信じなければならないか?
聖書の内容を全て真とするファンダメンタリストなもちろんイエスと言うだろう。
しかし近代人であれば科学合理主義は捨てられない。合理主義と神話は矛盾する。さあどうする?
現実的な対応としては、普段は合理主義の中で生活しておく。そしてあるときには「おはなし」として神話を肯定すると言うのが最も行われていると思う。
おはなしというのを定義しておくと
そんな話があってもいいじゃないか
というあり方をしている考えのことである。
こんな情緒的で曖昧な書き方で「定義」になるのかどうかワカらんが、まぁこのブログ内のローカルな定義と思ってください。
解りやすいのはサンタクロースですね。
親は子供たちにクリスマスイブにはサンタさんがプレゼントを持って来てくれるんだよと教えている。しかしサンタクロースはキャラのディテールが結構充実していて、煙突から入ってくるとかトナカイに引かれたソリが空飛んでやってくるとか、合理主義の観点からはツッコミどころ満載で、世の親は子供のツッコミをかわすのに苦労しているものと思われる(苦労した)。
サンタクロースは合理主義と明らかに矛盾する。
しかし世の親がサンタクロースを全面否定しているかというとそうでもなく、
そんな話があってもいいじゃないか
と思っているから子供たちに伝えているわけですね。
近代人というか現代人の神話に対する対し方は「おはなし」として肯定しているのが殆どだろう。テーゼとか主義とかは
この考えを受け入れなければお前はおろかだ
という、脅迫の構造を持っている(もちろんこの考えにも)。
しかしおはなしにはこの脅迫の構造がない。
サンタクロースを合理主義の視点から
「サンタクロースなんかいねぇよ。クリスマスプレゼントはそこら辺のオヤジ(失礼)が買っておいてくれてんだよ」
と言ったところで
「無粋な奴だな」
「夢のない人ねぇ」
と趣味や好き嫌いで非難されるだけで、善悪の観点から悪いことをしたと言われることはない。
あと占いなんかも大上段に頭から信じている人は少なく、おはなしとして肯定している人が殆どでしょうねぇ。私は占いは関係妄想の世界に入り込んでしまう危険を感じるのであんまり近寄らないけど。
今現在はやりのおはなしは、都市伝説と陰謀論だけど、これはまたの機会に。